建築実例
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家族構成夫婦 + 子供1人
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所在地犬山市
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延床面積90.26㎡(27.29坪)
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UA値0.43W/㎡K
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C値0.34㎠/㎡
回遊できる動線で光と風が通り抜ける住まい
南西の2方向で道路に面した利便性の良い土地に建つ、パッシブデザインを取り入れたお住まい。玄関を入ると木の香りとともにリビングから吹き抜けへ気持ちのいい風が通り抜けます。
ご夫婦が希望したのは高機能で、家事ラクな家。「家事も仕事も子育ても、快適な空間でスムーズにこなしたい」というオーダーを受けて建築家が提案したのは、家事動線を整理した”家全体を回遊できる”機能的な間取りに、断熱・気密性能を高めながらパッシブハウスの建築手法を取り入れた家でした。
夏は涼しく冬は暖かく そして地震に強い
「断熱・気密性能を高めながら、太陽・風など自然なエネルギーの力も借りて賢く暮らす高性能な家」をコンセプトに設計されたお住まいです。
“自然エネルギーを有効活用=パッシブデザイン”をうまく家の中に取り込めるように設計することで、省エネにも繋がり、年中快適な生活を送ることができます。
随所に取り入れられたパッシブ手法と機械設備
・部屋の風通しを確保するために設けた吹き抜け
・日差しの方向や角度に配慮した窓の配置
・庇やアウターシェードなどで日射遮蔽
・可能な限り南面を広く確保するため東向きの玄関配置
・快適な室温を維持しながら換気できる熱交換換気システム(マーベックス澄家)の導入
家事ラクにつながる暮らしの動線
このお住まいの特徴は回遊できる動線を取り入れた間取り。
家の中に行き止まりがない回遊動線は、移動する際に2つのルートを持つことができます。仕事帰りは洗面スペースからクローゼットへ、買い物帰りのときはそのままキッチンへ。シーンに合わせて最短距離を選べれば、暮らしやすさが格段に向上します。
家事はマルチタスクで行うことが多いため、回遊動線が確保されていれば、料理をしながらほかの家事も同時進行をしやすくなります。
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玄関に入ると、採光用の吹き抜け。
この小さな吹き抜けは、風のない時であっても1,2階の温度差を利用した自然換気を担ってくれます。
上着と靴の収納だけでなく、アウトドアグッズやお子様の遊び道具など、多種多様なモノを収納できる場所として、玄関の横に大きなシューズクロークを完備。
洗濯機・乾燥機・アイロンなどの家事作業をまとめてできるユーティリティールーム。
設計段階でガス衣類乾燥機(乾太くん)の導入が決まっていたため、見た目も良く、家事動線なども考慮しながら乾太くんの置き場所を決めることができました。
脱衣室で脱いだ衣類をそこで洗濯・乾燥し、そのままウォークスルークロゼットにしまえる一直線の動線。家事動線を効率化した無駄のないプランは、家族みんなが暮らしやすくなります。
また、玄関とユーティリティールームを結ぶことで、収納スペースを無駄なくとりながら、回遊できる動線が確保できました。
リビングは、家族が長時間過ごすため、文房具やおもちゃ、爪切り、書類など物が増えやすい空間です。内部の棚が可動式になったフルハイト収納を設けて、収納スペースをしっかり確保。
ロボット掃除機ルンバが戻りやすく、表から見えにくい位置に、コンセントを配置したルンバ基地(ホームベース)があります。
キッチン・ダイニングから見守りやすい場所にリビング学習できるスタディコーナーを設けました。
このスペースでリモートワークを行う場合、キッチンや水回りにすぐに行けるため、仕事と家事をそれぞれ効率的に行えます。
造作デスクカウンターの天板と書棚は、厚さ30mmタモ集成材にクリアオイル塗装を施しました。
書棚の下には、読書や学習などで手元を明るく照らしてくれるライトが組み込まれています。
玄関入ってすぐ手洗いができるよう、洗面スペースを設置。
造作の洗面カウンターにスクエアの洗面ボウル、豊富な収納力に3面鏡としての機能が備わったミラーボックス、1枚1枚の色を選べるコラべルタイルを使用。好きなものを組み合わせた「オリジナルの洗面スペース」が出来上がりました。
自然光を取り入れるため、上部に窓を設けています。
間取りの特徴は1階のリビングに隣接した寝室。
ワンフロアで生活が完結する平屋の暮らしに、子ども部屋や書斎などを2階にプラスした「2階建てなのに平屋のような家」が実現しました。
こちらのお住まいは、軒の出(庇)を夏至の時に1,2階のサッシが完全に影に入る位置で設定。
最も暑い時期は7~8月には夏至の時より太陽高度が下がっており、1階のリビング・ダイニングの掃き出し窓からは日射が入るため、アウターシェード等でカバーする計画です。
また外とつなぐ場所として、縁側となるウッドデッキも配置しています。
パッシブ設計の家で重要なのが「日射熱の取得と遮蔽」。冬は日射を取り入れて室内を暖め、夏は日射を遮断して室内の温度が上がるのを防ぐことで、室内の温度を快適に維持し、冷暖房負荷を削減できます。