建築実例
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家族構成ご夫婦+1人
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所在地名古屋市緑区
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延床面積96.47㎡(29.18坪)
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UA値0.28 W/㎡・K
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C値0.1㎠/㎡
暮らしに広がる光と、上質な素材のぬくもり
この住まいは平屋にコンパクトな2階がプラスされたシンプルな外観で、道路側はプライバシーに配慮した小さな窓が設けられ、リビングは南に開く大開口の窓から光を取り入れています。
1階で生活が完結できるように、寝室以外を1階に配置。開放的なキッチンを中心に玄関、リビング、ランドリールームへの動線がスムーズで、家事をする人が動きやすくなるように設計されています。階段の吹き抜けと大きな窓からは豊かな自然光が降り注ぎ、室内全体が明るく温かみのある雰囲気に包まれます。
室内は日本の伝統美と現代デザインを融合させた空間で、無垢オークのフロア、ワーロン紙の障子、大谷石のキッチン腰壁など素材にこだわり、時を経ても美しい普遍的なデザインを大切にしています。
また、断熱性能の高い窓や外付けブラインド、太陽光発電システムなどを備え、年間を通じて快適な室温を保ちつつ、エネルギーコストを削減するよう考慮されています。
この住まいを設計した建築家
光の在処
建物の外観は、平屋部分と2階建て部分をデザインで分けました。平屋部分はガルバリウム鋼板の外観でスッキリと、2階建て部分は和風の趣が感じられるデザインとしました。また、建物のプロポーションが2階部分で間延びしないように、2階は天井高を2250mmとしています。
プランとしては、閉鎖的な印象を持つ正面の外観を眺めながら丘のアプローチを経て玄関にたどり着く設計です。玄関に到達する時点でも閉鎖的な印象のままですが、玄関からクランクして吹き抜けの階段を経てリビングに至ると、そこには大開口の眺望が広がるというストーリーになっています。
外光は限定的に取得し、細長い窓や吹き抜けから差し込む光、南に開く大開口の窓を設けました。一つとして同じ景色のない開口を意識しています。
プランには回遊性を持たせ、洗濯動線や買い物動線も短くなるように工夫しました。書斎と畳コーナーの連続性も、障子を開閉することで様々な景色が楽しめるように意識しています。
2階は個室が集まる構成ですが、個室が必要になるまではセカンドリビングや子供の遊び場として自由に使えるフリースペースとなっています。当面の間はフリースペースを寝室として利用し、吹き抜けと繋がる個室をフリースペースとして使うのも良いかもしれません。
建築家/稲沢 謙吾(Kengo Inazawa)
1969 石川県生まれ
1989 東京都立品川高等技術専門校 建築設計科 卒業
1989-2000 株式会社古平真建築研究所
2001 椙設計室一級建築士事務所設立
建築実例:30坪以上に感じる一階完結型の家 , 穏やかな日常を彩る中庭の家
河合工務店の工夫 ~冬暖かく夏涼しい家の実現~
冬の性能
「冬暖かい」を実現させるためには、「断熱性能」と「気密性能」が重要です。
この住まいの断熱性能は、省エネルギー等級6(外皮熱貫流率UA値0.28)、気密値はC値0.1という、ZEH以上の高性能住宅で、窓はLow-Eトリプルガラスの樹脂窓を使用しています。
空調は「床下エアコン」を設置。一般的なエアコンを利用して床下に暖気を送って家全体を暖める床下エアコンは、住宅のどこにいても快適な温度を保ちます。
夏の性能
「夏涼しい」を実現するには、建物に当たった「日射熱をどれだけ建物に入れないか」が重要です。それには屋根や外壁の断熱性能を確保する「冬のための断熱性能」が備わっている以外に、窓から入る日差しを遮る工夫が必要になります。
こちらの住まいでは直射日光があたる吹き抜け上部の大きな窓に「外付けブラインド」を設置し、窓の日除け対策を行っています。
太陽光パネルを設置した省エネ住宅
この住まいは断熱性能を向上させるとともに、給湯はエコキュート、空調はエアコン2台、換気システムは熱効率90%の澄家DCを採用してエネルギー消費量を抑えています。さらに、太陽光発電パネルも設置され、自宅で消費する電力を発電しています。
南に開く大開口の窓。豊かな自然光が降り注ぎ、室内全体が明るく温かみのある雰囲気に包まれます。
無垢オークのフロア、ワーロン紙の障子、大谷石のキッチン腰壁など素材にこだわり、時を経ても美しい普遍的なデザインを大切にしています。
吹き抜け上部の大きな窓から光を取り込みます。夏は外付けブラインドを閉めて日差し遮り、冷房の効率を上げて快適に過ごせます。
ランドリールームには、洗濯機、物干しスペース+乾太くん、アイロンがけ用カウンター、収納ラックを完備しています。
衣類をすぐに洗濯し、効率的に片付けられる『家事ラク』な空間を実現しています。
帰宅後、シューズクロークでコートを脱ぎ、買い物したものをパントリーに収納してからキッチンへ。無駄のない帰宅動線が設計されています。