建築実例
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家族構成ご夫婦+1人
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所在地愛知県
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延床面積91.29㎡ (約27.6坪)
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UA値0.38W/㎡・K (付加断熱後)
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C値0.2㎠/㎡
道路側に「閉じ」室内に「開く」中庭の家
家族が集まる生活の拠点となる家を、寒さや暑さを気にせずゆったりとくつろげる場所にしたかったご夫婦。
敷地は駅が近い整形地ではあるものの、近隣宅地との距離が近く、前面が道路の住宅地でした。そのため、外部とのつながりや広がりを確保しつつ、同時にプライバシーを守ることが課題となりました。
設計は京都を拠点に活躍されている建築家が担当しました。京都の町屋では限られた土地面積を有効活用し、奥行きのある敷地を生かした知恵と工夫がみられます。その工夫を取り入れたこのお住まいは、家の中央に中庭を設けることで、外部とのつながりを感じつつ、光や風を室内に取り込むような配置になっています。さらに吹き抜け階段の窓や北側の地窓からも光を取り入れ、プライバシーを守りながらも開放的な空間を演出しています。
また、1階にLDKや寝室・水廻りを配置した「一階完結型プラン」になっており、2階に上がらなくても1階だけで生活が完結できます。普段の家事がラクになり、暮らしやすく機能的な空間を実現しました。
建築家
光庭からつながる
プライバシーを守りながら、外へのつながりと広がりを持たせることで、開放的に広く使える空間をつくる。
1階に部屋を多く配置し、南に建物が建っていないオープンスペースをとった場合、部屋と駐車場との距離が近く、窓から車や道路が近接します。その結果、一日中カーテンが閉じたままとなってしまったり、カーテンを開けたとしてもすぐ前には車の後ろ姿が見えてしまうことがあります。それゆえ、南側の窓を十分活用することは難しいと言えます。
そこで中庭を設けることとし、視線を気にせず外とつながり、光を室内に呼び込めるような配置としました。外を気にせずに開けることができる窓は、LDKからテラス、その先の寝室へとつがる視線の抜けとなり、実際の広さ以上の解放感を得ることができます。
また、階段を上がった南側にも窓を配置しているので、テラスに向かう窓から採光が十分でない時期、時間でも上部から明るい光が階段からLDKを照らします。
建築家/三浦 直樹(Naoki Miura)
1982 滋賀県生まれ
2005 京都造形芸術大学芸術学部環境デザイン学科卒業
2005-2013 横内敏人建築設計事務所
2013 三浦直樹建築設計事務所
建築家の設計手法
このお住まいについて、建築家が具体的なプランニングや設計手法について語った内容をご覧いただけます。
建物の機能や美しさだけでなく、住まい手のライフスタイルや快適な居住空間の創造にも注力していることが伝わってきます。
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吹き抜け階段の南側に配置された、採光用の窓。
吹き抜けによって一階と二階がつながるので、家の中の空気が上下に抜けて循環するようになります。
高気密高断熱の住宅は、リビング階段を採用しても1年を通じて快適に過ごすことができます。
北側に大型の窓を設けて、そこから光を入れています。
床から始まる「地窓」はプライバシーが確保しながら、地面に近い位置に見える緑の眺めを楽しめます。
シンプルなつくりの外観や内装をもちながらも、心豊かで穏やかに過ごせる家になりました。