コラム

2022.06.28

模型でわかる5つのポイント

模型でわかる5つのポイント

さあ、間取りの打合せをしましょう!というときに欠かせないのが図面です。
図面は3次元の立体情報を2次元化したもののため、部分的な部屋と部屋のつながりは理解できても、全体像をすべて把握するというのにはちょっとわかりづらいことがありますよね。
そこで実際の建築物をより理解しやすくするツールとして『模型』が登場します。
実物の1/100、1/50…など、検討する内容によって縮尺の度合いはさまざまですが、手のひらサイズの夢のマイホームはとても愛着の沸くものでもあります。
昔から鉄道や町のジオラマ模型など眺めているだけでも飽きない方には、家の模型もとても趣があると喜ばれることが多いです。

今日はそんな模型だからこそ叶えられる「模型でわかりやすい5つのポイント」をお伝えします。

(1) 3次元情報だからわかりやすい

河合工務店 模型は3次元
当たり前ですが実物のミニチュアなので立体です。
家のつくりの多くは平面図(上から見た図面)と立面図(横から見た図面)の2次元情報で表記はされているものの、それらを統合して認知するのは訓練が必要で、総じてよくわからないと感じる方が多いようです。
それが模型だと一目瞭然!
さらに、中に人や家具などの手掛かりとなる素材が模型の中にあったりすると、ぐっと空間認識がしやすくなります。

(2) ファサードがわかりやすい

河合工務店 模型 ファサードがわかりやすい
道路や外から見た建物メインの外観をファサードといいます。英語のfaceと同じ意味で、要するに家の顔です。これも立面図だと一面ずつ描かれますが、人間も同じく正面だけでみられることは珍しいです。斜め45°など少し傾いたいろんな角度から見られることがほとんどだと思います。模型の場合、玄関の見え方や窓のバランス建物のプロポーションなど、ファサードの調和がとれているかどうかを3次元情報で確認できるため、非常にわかりやすいです。

(3) 採光がわかりやすい

日本には四季があり、1年通して太陽の高さ、軌道が変わっていきます。それによって、建物の採光も影響を受けます。
太陽が真南に到達したときの太陽高度(角度)のことを「南中高度」といいますが、愛知県の場合、南中高度がもっとも高い夏至の時におよそ79°、もっとも低い冬至で32°となります。(春分と秋分はおよそ55°) 太陽の高度が変化することで、室内への日射も大きく変わってきます。
模型にスマホのライトなどで照らすと、夏/冬の陽の入り具合の違いがとても分かりやすいです。

夏だとこんな感じ。
河合工務店 模型 夏至
冬だとこんな感じ。
河合工務店 模型 採光がわかりやすい

随分と様変わりしますね。
この窓の配置だと冬はリビングの奥までちゃんと陽が入るのが確認できますね。

(4) 見える/見えないがわかりやすい

生活に必要なのが窓。でも、その設置の仕方で開放感とプライバシーどちらを担うのかが大きく変わってくると思います。特に図面だと窓の“位置”はわかりますが、手の届く“高さ”かどうか、四角なのか細長い形なのか壁に対する“かたち”がわかりにくいというのをよく聞きます。これも立体の模型で見ると目線の高さなのか、天井についているプライバシーを考慮した窓なのか、和室に用いられるような床の高さの窓なのか、非常にわかりやすいです。
河合工務店 模型 見える見えない

(5) スケール感がわかりやすい

多くの建築実例の写真や内観イメージ図などで使われるCGパース(透視図)はわかりやすい反面、見落としがちな欠点があります。それが画角といわれるものです。
画角とは、画面に写る範囲をカメラの位置から見た角度で表したもので、同じ視点でも画角が変われば、広さの感覚は一気に変わります。
CGパースは横の広がり、奥行き感などを必要以上にアピールしてしまうので、実際にできあがった空間と比べると違和感を覚えてしまいます。特に写真の端に映る物のプロポーション(形状)に現れているので、見てみてください。家電などの身近なサイズ感を測れるものが写真にあれば見比べてみるといいかもしれません。
(下のCGパースでは冷蔵庫がわかりやすく歪んでいますね。)
河合工務店 模型 CGパース

模型をつくるのには手間も時間もかかりますが、自信のあるこれぞ!というベストプランの時にあれば、とても便利だと思います。

模型からイメージする住まいと暮らしはとてもわかりやすいのでおすすめです。