コラム
大きな家 小さな家 必要な大きさの家とは?
河合工務店のOB(家づくりを終えた施主)家族のお家づくり
私は河合工務店のOBです。OBと言っても、よくある
「その会社で働いているからそこで家を建てた」
ではなく
『河合工務店で家を建てたから、そこで働きたいと思った』
なんだか普通とは違う経歴のOBですが、そこがとても私らしいカタチ。
実は河合工務店には他にも同じ経歴のOBスタッフがいます。
他の会社さんよりもそんなOBが多く働いているのも特長のひとつ。
だからこそ住まう実感をお伝えできるのも河合工務店のひとつのカタチです。
現場や様々な場所でいかに良い暮らしができるか真剣に考えながらお家づくりに携わるスタッフ
そんな家づくりや住み心地をどう皆様に分かりやすく伝えていくかいつも考えているスタッフ。
それぞれの想いを持つみんなで、協力しながら全員で模索しながら日々の河合工務店をつくりあげています。
お家づくりをスタートした時、理想の家は?と聞かれた私たちの答えは
主人は『40坪くらいの大きな家。20畳以上の広いリビング。』
妻の私は『無駄のない家。寒くない家。』
…なんだか正反対。
元々、私の実家は
田舎なので昔ながらの日本家屋らしいそんな家。
客間、仏間、居間、台所、水回り、3人兄弟ですがそれぞれの個室はなく無理矢理分けた兄弟の部屋、家族の寝室、なぜか広い廊下。
昔は当たり前だったそんな間取り。
使わない部屋と使うべきであろう部屋。
自分が家が欲しいと思った時、今まで『家』を形取ってきたものと、暮らしていきたい『家』とはギャップのある暮らしをしていたような気がします。
大きな家に対する憧れもあり、大きくできるならそうしたい。
ただ、予算も限られています。
予算内におさめたいと思うと容易にできる手段として「家の面積を小さくすること。」
それを阻んでいるのは『小さな家=狭い家』に対するネガティブな思いでした。
家を小さくする=欲しいものを我慢する
そんな印象がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
もちろん単純に家を小さくしようとすると、それぞれの部屋を小さくし、収納を小さくし、結果暮らしづらい、我慢する暮らしを強いられるでしょう。
私たちの担当の建築家は、教えてくれました。
家を小さくするのではなく、暮らしに必要な本当の広さを考えるのだ。と。
そして『なぜ?』を私たちにたくさん投げかけました。
『なぜその部屋が欲しいのか?』
『なぜその広さが必要なのか?』
『そもそも掃除が嫌いなのに、なぜ大きい家がいいの?大きい家は掃除大変だよ!?』
『お話を聞いていると、●●の方があなたたちにより必要に思えるけれど、なぜ不要と言うのか?』
『なぜ、なぜ?なぜ?』
真摯に向き合いながら暮らしに必要な広さや動線を考えるためにたくさん聴いてくれました。
私たちも真剣に考え、答えました。
そして私たちの暮らしのために一軒のお家を作ってくれました。
結果私たちの家は30坪に満たない 理想よりはるかに小さなお家。
それは小さくてもとても暮らしやすい
考え抜かれた《間取りの工夫》と《必要》と《余白》が詰まった広さ。
小さな家=我慢 ではないことを知りました。
20畳以上はないリビングだけど、20畳以上に感じられる家族や大切な人とくつろげる空間。
季節ごとに部屋に入る光の違いを愉しむ。新しい発見がある暮らし。
日々【好き】が生まれる場所になりました。
作られた《余白》をどう使っていこうか、そんな日々【好き】を重ねる楽しみができました。
ひとつひとつ新しい好きが生まれる度に大切さが増す場所です。
家づくりは完成したら終わりではありません。
1日1日過ごす中で新しい家づくりは続きます。
だから、私たちの家づくりはまだまだスタートしたばかり。
ただ小さければ良いわけではありません。
私たちの家に他のご家族が住まわれたら暮らしにくいかもしれません。
狭いな。と思うかもしれません。
そうだとしても当たり前なんです。
私たちの暮らしのためだけに考えられた家なのですから。
それぞれのご家族の暮らしに必要なスペース。
大切にしたいこと。新しい暮らしで実現したいこと。
それぞれのご家族で違います。
わたしたちもみなさんに問いかけます。
『なぜ?』
そしてみなさんのこれから始まる大切な新しい暮らしを見つけるために建築家といつも一緒に考えています。