家づくりの知識

2024.12.31

家の床下空間は?

 


1. 床下が「外」として扱われるケース

特徴と仕組み

床下が「外」として扱われる住宅は、主に伝統的な建築方法で見られます。以下のポイントが特徴です:

  • 床下換気口が設置されている
    通常、基礎部分に外気を取り込む換気口があります。この換気口を通じて床下に外気を循環させ、湿気を逃がす設計です。
  • 床下は外気温とほぼ同じ
    外気が自由に出入りするため、床下空間の温度は外気温に近くなります。冬場は冷たい外気が入り込み、床が冷たくなる原因となります。
  • 断熱材の配置
    この工法では、床の裏側に断熱材を取り付けることが一般的です。断熱材で室内を保護しますが、床下自体は冷気にさらされます。
  • 湿気対策
    外気を取り込むことで床下の湿気を逃がし、カビやシロアリの発生を抑えます。ただし、外気には湿度が高い場合もあり、十分な換気が行われないと逆効果になることもあります。

メリット

  • 施工コストが比較的安い。
  • 床下の湿気を外へ排出するため、従来の日本の気候風土に適している。

デメリット

  • 冬場は床下が冷えやすく、室内の快適性が損なわれる。
  • 気密性や断熱性が低く、エネルギー効率が悪い。
  • 床下換気口の管理が必要(閉塞や汚れの問題)。

2. 床下が「内」として扱われるケース

特徴と仕組み

床下が「内」として扱われるのは、主に現代の高気密・高断熱住宅で採用される方法です。次のような特徴があります:

  • 基礎断熱工法
    建物の基礎部分に断熱材を施し、床下空間を断熱層の内側に取り込みます。この設計により、床下も室内空間とほぼ同じ温度・湿度を保てます。
  • 床下の気密性を高める
    外気が床下に侵入しないよう、基礎部分や断熱材の施工を徹底します。
  • 床下暖房や全館空調との相性が良い
    床下が「内」となることで、全館空調システムや床暖房の効率が向上し、快適性が高まります。
  • 湿気管理
    床下も室内の一部として扱うため、室内環境全体で湿度を調整します。これにより、カビやシロアリのリスクが低減します。

メリット

  • 室内と床下の温度差が少なく、冬でも床が冷たくなりにくい。
  • 高気密・高断熱によりエネルギー効率が向上し、光熱費が抑えられる。
  • 床下の湿度が管理しやすく、結露やカビの発生を抑制できる。

デメリット

  • 基礎断熱工法には高い施工精度が求められるため、施工コストが上昇する。
  • 工事に手間がかかり、初期費用が高めになる。

3. 具体的な工法の比較

従来の床下換気工法(外)

  • 床下が外気にさらされることで換気が可能。
  • 冬場に冷気が床下に入り込む。
  • 床の裏側に断熱材を施工する。

基礎断熱工法(内)

  • 床下を断熱材で囲み、外気の影響をシャットアウト。
  • 室内とほぼ同じ環境に近づけられる。
  • 床下空間が一部居住空間のように扱われる。

結論

床下が「外」か「内」かは、その住宅の設計思想に依存します。

  • コストを抑えたい場合:床下換気口を設けた「外」として扱う設計が一般的です。
  • 快適性や省エネを重視する場合:「内」として床下を断熱層内に取り込む基礎断熱工法がおすすめです。

将来的なランニングコストや快適性を考えると、高気密・高断熱住宅や基礎断熱工法は有力な選択肢と言えます。住宅を新築する際やリフォームを考える際には、自分たちの生活スタイルや地域の気候に合った工法を選ぶことが重要です。

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