家づくりの知識

2024.12.21

一次エネルギー消費量等級について

エネルギー効率を示す一次エネルギー消費量等級の詳細解説

住宅の省エネ性能を評価する指標の一つが、一次エネルギー消費量等級です。これは、冷暖房や給湯、照明などに必要なエネルギー消費を基準として評価され、住宅のエネルギー効率を数値化します。一次エネルギー消費量等級を理解することで、環境に優しく、光熱費を抑えた家づくりの判断材料になります。

ここでは、一次エネルギー消費量等級について詳しく説明します。


1. 一次エネルギー消費量とは?

一次エネルギーとは、石油、石炭、天然ガス、電力などのエネルギー源のことです。これらを住宅内で利用する際に必要となるエネルギー量を一次エネルギー消費量と呼びます。

  • 対象となるエネルギー用途
    • 冷暖房(エアコン)
    • 給湯(お湯を使うための設備)
    • 換気(空気を入れ替える設備)
    • 照明(室内灯)
    • その他の家電製品など
  • 計算に含まれない項目
    • 調理器具(ガスコンロやIHなど)
    • 家電機器(冷蔵庫、テレビ、洗濯機など)

2. 一次エネルギー消費量等級とは?

一次エネルギー消費量等級は、住宅のエネルギー消費量を評価する基準で、日本の住宅性能表示制度に基づいて定められています。この等級は、エネルギー効率がどれだけ高いかを「1~6」の6段階で評価します。

等級ごとの性能基準

等級 説明
等級1 旧来の基準で、特に省エネ性能を考慮していない住宅。
等級2 等級1よりもやや省エネ性能が向上しているが、現在の省エネ基準には達していない。
等級3 1999年改正の省エネ基準を満たすレベル。現在では標準的な性能とみなされる。
等級4 現行の省エネ基準を満たすレベル。一般的な省エネ住宅が該当。
等級5 ZEH(ゼロエネルギーハウス)基準を満たすレベル。住宅全体の省エネ性能が非常に高い。
等級6 ZEHの基準を超える次世代レベルの省エネ住宅。蓄電池や太陽光発電などを活用し、エネルギー収支がさらに優れた住宅。

3. 等級を判断するための計算方法

一次エネルギー消費量等級は、**計算によって算出された一次エネルギー消費量(実績値)基準値(地域ごとの基準値)**をどれだけ下回っているかで決まります。

一次エネルギー消費量の計算方法

以下のエネルギー使用量を合算して求めます:

  1. 冷暖房のエネルギー量
    • 家の断熱性能(UA値)や気密性能(C値)、エアコンの性能が影響します。
  2. 給湯のエネルギー量
    • 給湯器の効率(エコキュートやエコジョーズなど)によって変化します。
  3. 換気システムのエネルギー量
    • 換気設備の効率(全熱交換型の換気システムなど)。
  4. 照明のエネルギー量
    • LED照明など高効率の機器が影響。

4. 一次エネルギー消費量等級の目安

等級4(現行基準)

  • 基準:建築物省エネ法に基づく基準を満たす。
  • 特徴:一般的な省エネ性能を持つ住宅。

等級5(ZEH基準)

  • 基準:基準値よりも20%以上の省エネが実現。
  • 特徴:高断熱・高気密住宅と再生可能エネルギー(太陽光発電など)の併用。

等級6(次世代基準)

  • 基準:基準値よりも30%以上の省エネが実現。
  • 特徴:蓄電池やエネルギーマネジメントシステム(HEMS)を組み合わせ、エネルギー自給自足が可能な住宅。

5. 等級を上げるためのポイント

(1) 高断熱・高気密性能の確保

住宅の断熱性能(UA値)や気密性能(C値)を向上させることで、冷暖房に必要なエネルギー消費量を削減できます。

(2) 高効率設備の導入

省エネ性能の高い設備を導入することが、一次エネルギー消費量の削減につながります。

  • 給湯器:エコキュートやエコジョーズを採用。
  • 照明:LED照明の採用。
  • 換気システム:熱交換型の換気システムを導入。

(3) 再生可能エネルギーの活用

太陽光発電や家庭用蓄電池を設置することで、消費するエネルギーを自家発電で補い、収支を改善します。

(4) エネルギーマネジメントシステム(HEMS)の活用

HEMSを導入することで、家庭全体のエネルギー消費を「見える化」し、効率的な運用が可能になります。


6. 等級を満たすことで得られるメリット

(1) 光熱費の削減

エネルギー効率が高い住宅は、冷暖房や給湯にかかる光熱費を大幅に削減できます。

(2) 補助金や税制優遇

等級5以上の住宅(ZEH住宅など)は、国や自治体の補助金や税制優遇を受けられることがあります。

(3) 資産価値の向上

省エネ性能の高い住宅は、将来的に資産価値が下がりにくい傾向があります。

(4) 環境への配慮

エネルギー消費を抑えることで、CO₂排出量を削減し、環境保全に貢献できます。


7. 等級の実例:ZEH住宅の具体的な効果

例えば、耐震性や断熱性に優れたZEH住宅では、年間のエネルギー収支がほぼゼロとなる設計が可能です。

  • 導入設備:太陽光発電システム、エコキュート、LED照明、全熱交換型換気システム。
  • 実績:光熱費が年間で20~50%削減されるケースが多い。

まとめ:一次エネルギー消費量等級で選ぶ省エネ住宅

一次エネルギー消費量等級は、住宅のエネルギー効率を見える化し、省エネ性能の高さを評価する重要な指標です。等級5以上の住宅を目指すことで、環境負荷を抑えながら、光熱費の削減や快適な住環境を手に入れることができます。

省エネ性能を重視した家づくりを考えている方は、ぜひこの指標を基準に検討を進めてみてください。将来的なメリットと安心感を得られる家づくりが実現します。
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