家づくりの知識
冬はあたたかく、夏はすずしい家を実現するには?
冬も夏も快適な家づくりって、どんな家?
家の中は「安心して過ごせる場所」のはずですが、冬に足が冷えて寒すぎたり、夏にムシムシして汗だくになったりすると、なんだか居心地が悪く感じてしまうことがあります。毎日の暮らしの中で、寒さや暑さのストレスを感じると、せっかくの家の良さも半減してしまいますよね。
そんな中、「冬はあたたかく、夏はすずしい家」なら、どんな季節でも快適に過ごせると思いませんか?建物のつくり方や設備の使い方を工夫することで、エアコンや暖房に頼りすぎず、エネルギーも節約しながら快適な家を作ることができるんです。
「どうやったらそんな家ができるの?」「自分が住む家にどんな工夫をしたらいいの?」そんな疑問を持ったら、ぜひこの記事を読んでみてください。家づくりの仕組みを知ると、家への見方が少し変わってくるかもしれません!
目 次
1. 冬はあたたかく、夏はすずしい家とは
・1-1. 「冬あたたかく、夏すずしい家」の条件
・1-2. 居室と非居室、それぞれの特徴と課題
2. 快適な温度を保つためには?
・2-1. 室温を適切に保つための3つの方法
①パッシブデザインとは?
②冷暖房を上手に使うこと
③ 高気密高断熱の性能が良い家を選ぶ
3.まとめ
1. 冬はあたたかく、夏はすずしい家づくり
家づくりを考えるとき、住み心地の良さを決める大事なポイントが「冬のあたたかさ」と「夏のすずしさ」です。この2つの要素が整っているかどうかで、日々の快適さや暮らしやすさは大きく変わります。
日本では、暖房や冷房を使う期間が1年の半分以上になる地域がほとんどです。そのため、家が寒すぎたり暑すぎたりすると、その期間ずっと不満やストレスを感じながら過ごすことになります。一方、冬も夏も快適な家では、毎日の生活が明るく楽しくなりますよね。
だからこそ、「冬あたたかく、夏すずしい家づくり」は、家を建てる際の大切なテーマになるのです。
1-1. 「冬あたたかく、夏すずしい家」の条件
冬あたたかく、夏すずしい快適な家をつくるには、次の2つのポイントを押さえる必要があります。
条件1:よく使う部屋(居室)の快適性
家族が多くの時間を過ごすリビングや寝室、子ども部屋などが、快適な温度で保たれていること。
条件2:あまり使わない場所(非居室)の環境差を減らす
廊下やトイレ、脱衣所などの温度が、居室とあまり差がないこと。
どちらも同じくらい重要です。特に、廊下やトイレなど非居室の環境は見落とされがちなので、注意して計画することが必要です。
1-2. 居室と非居室、それぞれの特徴と課題
居室
リビングや寝室のような居室は、冷暖房設備がついていることが一般的です。寒ければ暖房をつけたり、暑ければ冷房を使ったりして、快適な温度に調整することができます。例えば、冬の朝や帰宅直後に寒さを感じても、エアコンやヒーターをつければすぐに解決することが多いです。
このように、居室では「快適」と「不快」の差がそこまで大きくならない場合が多いのです。ただし、冷暖房設備が十分でない家では、居室でも寒さや暑さに悩まされることがあるので、注意が必要です。
非居室
一方、廊下やトイレ、脱衣所といった非居室は、冷暖房設備がないことがほとんどです。そのため、冬は非常に寒く、夏は非常に暑いという状況になりやすいです。こうなると、居室から非居室に移動するだけで「早くこの場所から出たい!」と感じるようになってしまいます。
こうした不快感が毎日積み重なると、家全体の住み心地が悪くなり、ストレスの原因になります。逆に、非居室の温度差を少なくすれば、家のどこにいても快適に過ごすことができ、暮らしがもっと楽しく、リラックスしたものになります。
ポイント
• 冬も夏も快適に過ごせる家を目指すために、室内の温熱環境を最優先に考えよう。
• リビングや寝室などの居室だけでなく、廊下やトイレなどの非居室の温度差にも気を配ることが大切。
2. 快適な温度を保つためには?
私たちが「暑い」「寒い」と感じる原因の多くは「室温」です。湿気や風の強さも影響しますが、一番大事なのは「空気の温度(室温)」です。この室温を快適な範囲に保つためには、家づくりの段階でしっかり計画を立てる必要があります。
快適な温度を保つためには、以下の3つの方法を組み合わせることが大切です。
2-1. 室温を適切に保つための3つの方法
①パッシブデザインとは?
パッシブデザインとは、建物自体の設計を工夫して、外の気温に左右されにくい家を作る方法です。太陽の光や風など、自然の力を上手に利用しながら、建物そのものの性能を高めることが目的です。
• 壁や床、天井に断熱材を入れて、外の寒さを中に入れないようにする。
• 家の中の隙間をなくして、冷たい空気が入ってこないようにする(気密性能を高める)。
• 太陽の光を取り入れる窓の配置を考え、家の中を自然にあたたかくする。
夏に必要な工夫
• 屋根や壁に断熱材をしっかり入れて、外の暑さを中に入れないようにする。
• 窓に日差しを遮る庇(ひさし)や遮熱カーテンをつけて、熱い日差しを防ぐ。
• 窓を開けて風を通しやすい設計を考える。
パッシブデザインは冷暖房を使う前に、建物自体で温度調整をしやすくするための工夫です。これがしっかりしていると、冷暖房設備の負担を減らすことができます。
②冷暖房を上手に使うこと
どれだけ建物の性能を高めても、外が極端に寒い日や暑い日には限界があります。そのときに活躍するのが冷暖房設備です。エアコンを上手に使うことで、快適な室温を効率よく保つことができます。
• 最新のエアコンは、少ない電気で効率的に暖めたり冷やしたりできる省エネ設計になっています。部屋の温度をセンサーで感知し、人がいるところだけを快適にするタイプもあります。
適切な使い方を意識
• 冷暖房の設定温度を適切にする(例:冬は20~22℃、夏は26~28℃程度)。
冷暖房設備が効率的に動くようにすることで、電気代やガス代を抑えることができるだけでなく、地球にも優しい家になります。
③ 高気密高断熱の性能が良い家を選ぶ
高気密高断熱とは、家の中の暖かい空気や冷たい空気が外に逃げないようにする性能を高めた家のことです。また、外からの暑さや寒さも家の中に入ってこないようにすることで、冷暖房に頼りすぎずに快適な温度を保つことができます。
• 暖房で暖めた空気や、冷房で冷やした空気が外に逃げてしまうと、冷暖房をどれだけ使っても快適な温度を保つのが難しくなります。
• 家の中で温度差ができると、場所によって寒すぎたり暑すぎたりして、暮らしにくくなります。高気密高断熱の家なら、家中どこにいても快適な温度を保てます。
高気密高断熱の家がもたらすメリット
• 冷暖房の効率が上がり、光熱費を大幅に削減できる。
• 冬は寒さを、夏は暑さをしっかり防ぎ、家の中がいつでも快適。
• 室内の温度差が少ないので、ヒートショック(急激な温度変化による健康被害)のリスクが減る。
どうやって性能を高めるの?
• 壁や天井、床にしっかりと断熱材を入れる。
• 窓を二重ガラスや断熱性能の高いガラスにする。
• 家の隙間を少なくするために、建て方や使う部材に注意する。
高気密高断熱の性能が良い家は、冷暖房に頼りすぎなくても快適な温度を保てるので、これからの家づくりには欠かせないポイントです。
3.まとめ
快適な家は、家族みんながリラックスして過ごせる空間を作ります。家づくりを考えるときは、居室も非居室も含めて、家全体の温熱環境をしっかり整える計画を立てましょう。それが、快適でストレスのない暮らしの第一歩です。
ご不明な点があれば、どんなことでもご相談ください。河合工務店のスタッフ一同、心を込めてお手伝いいたします。
平屋や中庭のある家など、今まで河合工務店が建築してきた注文住宅の実例をご覧いただけます。
また、モデルハウスや新築の物件を体感できる見学会も開催していますので、お気軽にご予約ください。
SNSでは建築実例や最新情報、お客さまインタビューの動画をお届けしています。