家づくりの知識
家づくりで知っておきたい外壁材の種類と選び方
家づくりで外壁材が大切な理由
家づくりを考える際、外壁材の選び方は重要です。外壁材は「家の顔」となる重要な部分です。デザイン面で家の雰囲気を決めるだけでなく、風雨や紫外線といった自然環境から住まいを守り、耐久性やメンテナンス性にも影響を与えます。外壁材にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴がありますが、選ぶ際にはコスト、メンテナンスの手間、デザイン性、耐久性といったポイントをしっかりと比較することが大切です。
このコラムでは、代表的な外壁材の種類と、その特徴、メリット・デメリットについて詳しく解説します。
外壁材の種類とその特徴
現在、住宅に使われる主な外壁材について、その特徴と適した住宅スタイルをご紹介します。
1. サイディング
サイディングは、最近の住宅で最も多く採用されている外壁材の一つです。大きく分けて「窯業系サイディング」と「金属系サイディング」の2種類があります。
窯業系サイディング
特徴
セメントに木質系繊維を混ぜて作られた板状の素材で、レンガ調や木目調など多彩なデザインが揃っています。
デザイン性が豊富で、コストが比較的手頃。シンプルな住宅からモダンな住宅まで、さまざまなデザインに合わせやすいのが魅力です。防水性が低く、数年ごとのシーリング(目地部分のコーキング)メンテナンスが必要です。また、耐用年数がやや短く、定期的な塗装メンテナンスが欠かせません。
シンプルでコストパフォーマンスを重視したい方に適した外壁材です。
外壁材の種類 | 窯業系サイディング |
特徴 | セメントと繊維質を混ぜた成形材 |
メリット | デザインが豊富 耐火性が高い コストパフォーマンス良好 |
デメリット | 目地のメンテナンスが10年ごとに必要 安価な製品は見栄えが劣る場合あり |
施工費用の目安(2024年現在) | 約6,000~8,000円/㎡ |
メンテナンス間隔 | 約10年(目地交換・再塗装) |
金属系サイディン(ガルバリウム鋼板)
アルミニウムやガルバリウム鋼板などの金属でできた外壁材で、軽量かつ耐久性が高い点が特徴です。
金属ならではの軽量性と高い断熱性能が魅力です。特に寒冷地では優れた断熱効果を発揮します。また、20年以上の耐用年数を持つ製品も多く、メンテナンス頻度が少ないこともメリットです。表面に傷がつきやすく、雨音が響きやすいことがあるため、気になる方は防音対策がされた製品を選ぶと安心です。
寒冷地や、長持ちする外壁材を選びたい方に適しています。
外壁材の種類 | ガルバリウム鋼板 |
特徴 | 金属製の耐候性塗装材 |
メリット | 軽量で耐震性が高い 長寿命でメンテナンスが少なめ スタイリッシュな外観 |
デメリット | 初期費用が高め 強い衝撃で凹みやすい |
施工費用の目安(2024年現在) | 約8,000~10,000円/㎡ |
メンテナンス間隔 | 約15~20年(再塗装・目地交換) |
2. タイル外壁
タイル外壁は、セラミックタイルやレンガ調タイルを外壁に貼り付ける方法で、強度と耐候性が非常に高く、デザイン性にも優れています。
タイルは陶器と同様に高温で焼かれた材料のため、硬くて強度が高く、紫外線や風雨による劣化がほとんどありません。一般的には貼り付け型と、直接壁に組み込む積み上げ型の2種類があり、家に重厚感や高級感を与えます。
他の外壁材と異なり、タイル自体の劣化がほとんどないため色褪せや変色が少なく、長期間美しい状態を保つことができ、メンテナンスが少なく済みます。
タイル外壁は材料費や施工費が他の外壁材と比べて高く、初期コストがかかります。また、タイルの貼り付けは高い技術を要し、仕上がりに職人の腕の差が出ることもあります。耐久性を重視する方に最適です。
外壁材の種類 | タイル |
特徴 | 高耐久・重厚感があるデザイン |
メリット | 耐久性に優れ 色褪せしにくい メンテナンスがほぼ不要 |
デメリット | 初期費用が高い 目地部分のメンテナンスが必要 |
施工費用の目安(2024年現在) | 約15,000~20,000円/㎡ |
メンテナンス間隔 | 約30年ごとに目地補修 |
3. モルタル外壁
モルタルは、セメントと砂、水を混ぜ合わせた素材で、日本の住宅では長年にわたって使われてきました。職人が手作業で塗るため、外壁に独特の風合いと柔らかい印象を与えることができます。
職人の技術により、さまざまな仕上げが可能で、ナチュラルな印象を与えられる外壁材です。塗り壁ならではの柔らかい質感が楽しめ、特に和風住宅やモダンデザインの住宅に向いています。防水性のある塗料や下地材と組み合わせることで、外壁の寿命を延ばすことも可能です。
温度や湿度の変化により収縮・膨張を繰り返すため、ひび割れが発生しやすい素材で、数年ごとの防水塗装が欠かせません。
デザイン性を重視する方、自然で柔らかい外観を求める方におすすめです。
外壁材の種類 | モルタル |
特徴 | セメント・砂・水を混ぜた外壁材 |
メリット | 自然な風合い 継ぎ目のない美しい仕上がり 耐火性が高い |
デメリット | ひび割れが発生しやすい 職人の技術力で仕上がりに差が出る |
施工費用の目安(2024年現在) | 約7,000~9,000円/㎡ |
メンテナンス間隔 | 約10年(亀裂補修) |
4. 塗り壁(吹き付け塗装)
塗り壁は、外壁に直接塗料を吹き付けて仕上げる方法で、モルタルと同様に自由なデザインを楽しむことができます。
セメント系やアクリル系の塗料を直接吹き付けて仕上げるため、シームレスな見た目が特徴です。また、自然素材で作られることが多く、デザイン性が高い点も魅力です。仕上げのデザインやカラーも豊富で、独特の風合いを楽しむことができます。
塗り壁もひび割れが発生しやすく、定期的な補修が必要です。吹き付け塗装には技術が必要で、仕上がりが職人の腕に左右されます。自然な風合いが好みの方や、デザインにこだわりたい方に適しています。
外壁材の種類 | 塗り壁(吹き付け塗装) |
特徴 | 職人による手作業で吹き付けやコテ仕上げが可能 |
メリット | – 自然な風合いと柔らかい外観 – 調湿効果があり、室内環境を快適に保つ – 継ぎ目がなくデザインの自由度が高い |
デメリット | – 経年劣化によるひび割れが発生しやすい – 施工費用が比較的高く、職人の技術力に依存する – 定期的なメンテナンスが必要 |
施工費用の目安(2024年現在) | 約8,000~12,000円/㎡ |
メンテナンス間隔 | 約10年ごとに塗り替えや補修 |
外壁材選びのポイント
1. 外壁材選びはライフスタイルとの相性がポイントです
外壁材は、お家の見た目やコストだけでなく、メンテナンスの手間や耐久性も大切な要素です。忙しい日々を過ごす方には、メンテナンスが簡単で長持ちする素材が便利かもしれませんし、デザインにこだわりたい方には個性的な素材がぴったりです。ご家族の生活スタイルに合わせた外壁材選びが、お住まいに長く愛着を持つための第一歩となります。
2. 気候に合った断熱性と耐候性を選ぶ
温暖な地域と寒冷地では、外壁に求められる機能が異なります。例えば、温暖な地域では耐久性や耐熱性を重視し、寒冷地では断熱性や耐寒性がより重要になります。地域の気候に適した素材を選ぶことで、家の中の快適さを保ちつつ、外壁の劣化も防ぎやすくなります。
3. 長期的な視点でのコストも検討する
初期費用に目が行きがちですが、外壁材はメンテナンスの頻度や方法によってもトータルの費用が変わります。メンテナンス頻度が低い素材を選ぶことで、長期的にコストを抑えやすくなります。例えば、塗り壁材は、定期的なメンテナンスが必要ですが、他の素材に比べてデザイン性が高く、長く愛される魅力があります。
4. 素材の種類と街並みへの調和も大切です
外壁には、塗り壁、金属、木など、さまざまな素材が使われます。ご家族の好みや、住まい手の個性を表現するためにも、ぜひデザインや色合いを慎重に選んでください。また、外壁材は街並みに調和することも大切です。周囲との調和を考えつつも、ご自身の個性を引き立てるような外壁材を選ぶことで、さらに愛着の持てる住まいを実現できます。
まとめ
家づくりにおける外壁材選びは、見た目だけでなく、住まいの快適さや維持コストにも影響を与える重要なポイントです。サイディング、タイル、モルタル、塗り壁といった外壁材にはそれぞれに異なる特徴やメリット・デメリットがあるため、家族のライフスタイルや予算、メンテナンスの手間を考慮しながら、自分たちにとって最適な外壁材を選ぶことが大切です。
そして外壁材選びは、家づくりの中で特に楽しい部分でもあります。長く安心して暮らせるお住まいにするためにも、慎重に選ぶことをおすすめします。ご不明な点があれば、どんなことでもご相談ください。河合工務店のスタッフ一同、心を込めてお手伝いいたします。
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