家づくりの知識
2024.11.06
デザイン住宅に映えるシンボルツリー7選~豊かな暮らしを彩る外構計画~
新築住宅の外構計画を考えるとき、シンボルツリーの選定は家の魅力を引き立て、四季折々の変化を楽しむうえで欠かせない要素です。シンボルツリーは、デザイン性の高い住宅に自然のやわらかさを加え、住む人の心を豊かにしてくれます。本コラムでは、デザイン住宅に似合うシンボルツリー7種類を、各々の特徴や手入れ方法、暮らしに与える効果を交えながら紹介し、理想の樹木選びをお手伝いします。
①アオダモ(落葉・中成長)
※写真は秋になり、これから落葉が始まる頃です。少し紅葉しています。
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- 特徴:アオダモは、細身で上品な佇まいが魅力の木です。日本の里山に自生していたこともあり、どこか懐かしさを感じさせつつも、和洋問わず幅広いデザインに合います。春には控えめな白い花が咲き、秋になると葉が赤や黄色に染まって紅葉します。冬場は幹のシマシマ模様が見えるため、落葉期でも静かな存在感を保つのが特徴です。周りの自然との調和を楽しむ外構にぴったりの一本です。
- 手入れ:中程度の成長速度で、年に一度の剪定で美しいシルエットが維持できます。あまり大きくならず、比較的コンパクトにまとまるため、庭全体のバランスを取りやすい木でもあります。
- 暮らしへの効果:アオダモは騒音を和らげ、空気の浄化作用も期待できるため、落ち着いた環境を好むご家庭におすすめです。落葉後は冬の日差しを遮らないため、室内に温かな光が届きやすく、エネルギー効率の面でもメリットがあります。
②ヤマボウシ(落葉・遅成長)
※和でも洋でもいける万能タイプだと思います。
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- 特徴:ヤマボウシは、春には控えめな白や淡いピンクの花が咲き、夏には涼しげな葉が木陰を作り、秋には赤い実がつく、四季の移ろいを感じられる樹木です。日本庭園によく使われるヤマボウシですが、そのシンプルでモダンな樹形は洋風住宅にもよく合います。葉が重なり合って生い茂る姿は、庭に自然な陰影を与え、日中でも涼やかな雰囲気を醸し出します。
- 手入れ:成長が遅いため、剪定の頻度は少なめで自然の樹形が整いやすく、メンテナンスの負担が少ないのが特徴です。季節の移ろいを存分に楽しむことができるため、あまり手間をかけたくない方におすすめです。
- 暮らしへの効果:秋に実る赤い実は、熟すと甘みがあり、ジャムやデザートにも使えるので、家族で楽しむことができます。庭での収穫は家族にとっての小さなイベントとなり、暮らしに自然の豊かさを加える素敵な体験となるでしょう。
③ヒメシャラ(落葉・遅成長)
※秋には割と早めに落葉し始めました。葉がなくても枝の量が多いので存在感はあります。
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- 特徴:ヒメシャラは、スラっと伸びる直立の樹形が美しく、モダンなデザイン住宅と調和する洗練された外観が魅力です。葉は滑らかで光沢があり、初夏には白い小さな花が静かに咲き、秋には深みのある紅葉を見せてくれます。まるで自然が作り上げたアートのような木で、外構のシンボルとして存在感を発揮します。無駄のない美しさが特徴で、住宅のモダンな外観を引き立てる役割を果たします。
- 手入れ:成長が遅めなので、剪定の頻度は少なく済みます。また、葉が小さめで落ち葉の量も少ないため、掃除の手間が少なく維持がしやすいです。
- 暮らしへの効果:ヒメシャラは樹皮が年を重ねるごとに少しずつ変化し、美しい木肌が現れるため、経年美化を楽しむことができます。時間とともに風格が増していくこの木は、住まいの歴史と共に成長する一本として特別な存在となるでしょう。
④ソヨゴ(常緑・中成長)
※赤い実がなると鳥がよく止まり木しています。
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- 特徴:ソヨゴは一年を通して美しい緑を保つ常緑樹で、シンプルな葉が風にそよぐ姿が美しい木です。秋から冬にかけて小さな赤い実をつけるため、寒い季節でも色彩豊かな庭を演出してくれます。柔らかな印象の葉は、優雅で落ち着いた雰囲気を醸し出し、デザイン性の高い住宅に自然なアクセントを加えます。
- 手入れ:中程度の成長速度で、自然な樹形を保ちやすく、剪定も最低限で済むため、育てやすい樹種です。軽い剪定で形を整えるだけで美しさを保てます。
- 暮らしへの効果:ソヨゴは鳥が好む赤い実をつけるため、庭に訪れる小鳥たちの姿を楽しむことができます。鳥たちのさえずりが庭に響くことで、外構が生き物の息づく場になり、家族が自然との共生を感じられるでしょう。
⑤ジューンベリー(落葉・中成長)
※ジューンというだけあって6月には赤い実がたくさんなります。
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- 特徴:ジューンベリーは春に白い花を咲かせ、初夏には赤い実がつきます。花と実を楽しめるこの木は、庭のアクセントになるだけでなく、家庭菜園の一部として収穫も楽しめます。赤い実が色づく様子は家族にとっての楽しみとなり、自然が与えてくれる恵みを日々の暮らしに取り入れることができます。
- 手入れ:成長が中程度で、枝が込みやすいため、風通しを良くするための剪定が必要です。年に2回ほど枝を間引くことで、より健康に育てることができます。
- 暮らしへの効果:ジューンベリーの実はそのまま食べたり、ジャムやお菓子にしても美味しく、庭に実がなる喜びを家族で楽しむことができます。自然との触れ合いを通じて、子どもたちにも食育や植物の成長を学ばせる良い機会となるでしょう。
⑥カエデ(落葉・中成長)
※温暖化のせいか年々、紅葉の時期が遅くなっている気がします。
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- 特徴:日本の庭の風情を象徴するカエデは、秋になると美しい紅葉を見せます。日本庭園や和モダンな住宅だけでなく、北欧風デザインの外構にも自然に調和し、季節の彩りを添えてくれます。四季の移ろいを楽しむ庭づくりに最適で、春から夏の新緑、秋の紅葉と、季節ごとの変化が美しい木です。
- 手入れ:成長はやや早めで、枝が伸びやすいため、定期的な剪定が必要です。落葉後は庭に光が差し込み、室内も明るくなります。
- 暮らしへの効果:カエデは秋の紅葉が一番の見どころであり、家族が庭で季節を感じられるシンボルツリーです。冬の落葉で光が入りやすくなるため、寒い季節には陽の光が差し込み、庭全体に温もりが感じられます。
⑦シマトネリコ(常緑・速成長)
※とにかく成長スピードが速いです。ただし、陽当りのよくない場所でもそだってくれるのは頼もしいです。
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- 特徴:リゾート感漂うシマトネリコは、風にそよぐ細やかな葉が爽やかな印象を与えます。常緑樹でありながら、軽やかでリズミカルな葉の動きが美しく、シンプルかつナチュラルなデザイン住宅にぴったりです。モダンな外構にも合い、涼しげな印象をもたらします。
- 手入れ:成長が速いため、適度に剪定を行い、サイズを保つことが大切です。日陰にも強く、植える場所に困らない万能な樹木です。
- 暮らしへの効果:シマトネリコの木陰は、夏の暑さを和らげ、家族にとって自然の涼しさを提供するカーテンのような役割を果たします。木陰で読書を楽しんだり、子どもたちが遊んだりと、庭の豊かな利用が生まれる木です。
シンボルツリーで家の魅力を引き立てる外構づくりを
シンボルツリーを選ぶことで、住宅のデザインをより引き立て、自然との共生を感じられる暮らしを楽しむことができます。庭の中心に一本の木を据えることで、住まいのシンボルとして成長し、家族の生活に彩りを加えてくれます。