家づくりの知識

2024.10.27

家の性能の重要性について

インタビュー

今から家づくりを検討されているご夫婦、そして子供1~2人のご家族に向けて、「家の性能がなぜ必要か」を分かりやすく解説します。近年、家づくりにおいて「高性能住宅」という言葉が広がっていますが、この高性能住宅には具体的にどのような利点があり、またランニングコストの面でどれほどメリットがあるのかを、実例を交えながらお伝えします。

1. 家の性能が大切な理由

名古屋市のように夏の蒸し暑さや冬の冷え込みが厳しい地域では、「高気密・高断熱住宅」の性能が非常に重要です。住宅の性能が高いと、外気の影響を受けにくく、室内の温度を一定に保つことが可能になります。こうした性能が高い住宅にすることで、冷暖房の効率が向上し、エアコンや暖房機器の使用を抑えることができます。その結果、毎月の光熱費の削減にもつながり、家計への負担が軽減されるのです。

2. 家族の健康を守る

高気密・高断熱住宅は、ただ単に「暖かい・涼しい」だけではありません。湿度や温度の急激な変化を防ぐことで、室内の空気環境も安定し、結露の発生を抑えます。例えば、結露が発生しにくくなることでカビの発生が防げるため、呼吸器系の健康を守ることができます。お子さんやご家族のアレルギーやぜんそくなど、健康に配慮した環境作りに貢献します。

さらに、高性能住宅では第1種換気システムを導入することが多く、外から取り入れる空気をフィルターで清浄してから室内に送り込むことができます。これにより、花粉やPM2.5などの有害物質も抑制され、子どもたちの健康リスクを低減する効果も期待できます。

3. ランニングコストの違いが大きい

一般住宅と高性能住宅の大きな違いの一つが、ランニングコストに現れます。一般住宅では、夏場や冬場に冷暖房を頻繁に使う必要があり、特に電気代が大きくかさむ傾向にあります。高性能住宅であれば、断熱性能が高いため、冷暖房効率が良くなり、長時間エアコンをつけっぱなしにする必要がありません。

具体的な例:光熱費の違い

たとえば、一般的な住宅では年間の光熱費が約25万円かかると仮定した場合、高性能住宅ではその光熱費を約20~30%削減することが期待できます。年間で5~7万円ほどの節約効果が得られる計算です。10年、20年と住み続けることを考えれば、相当な額のランニングコストが抑えられることになります。

電気代が上がりやすい理由

さらに、電気代は原油価格や為替の影響を受けやすい面があります。昨今のように原油価格が不安定な時期には、それが電気代の高騰にも直結します。原油価格が高騰すると発電にかかるコストが上がり、それが家庭の電気料金に反映されることが多いためです。また、為替が円安に進むと、輸入に依存するエネルギー資源のコストが上がり、これも電気料金に影響を与えます。高性能住宅であれば、冷暖房にかかる電力消費を減らせるため、電気代の上昇にも左右されにくく、家計の負担を軽減できます。

4. 家計を助ける省エネ効果

例えば、冬場の名古屋での電気使用量を考えてみましょう。一般住宅であればエアコンや暖房機器を長時間使用するため、月に2~3万円程度の電気代がかかることがあります。しかし、高性能住宅では断熱性と気密性が優れているため、1~1.5万円程度に抑えることも可能です。仮に1ヶ月で1万円の違いがあれば、年間で12万円の光熱費削減につながり、20年で240万円の節約が期待できます。これにより、他の家庭費や将来の貯蓄に回せるお金が増えるでしょう。

5. 家族が快適に過ごせる空間を確保する

高性能住宅の快適さは、家族全員が日々実感できる点です。例えば、夏場にエアコンの温度を24度に設定しても、一般住宅では部屋全体が涼しくならずに、エアコンの近くしか冷えないこともあります。しかし、高性能住宅では気密性が高いため、設定温度がすぐに室内全体に行き渡りやすくなり、より快適な環境で過ごせます。

また、冬場でも足元が冷えることなく、家全体が均一に暖かい状態を保てるため、家族みんながリビングでくつろぎやすいのです。特に、床からの冷気が少ないため、赤ちゃんや小さなお子さんがいても安心して遊ばせることができます。

6. 長期間住み続けることで実感するメリット

高性能住宅は、初期投資が若干高くなることがありますが、ランニングコストの節約によって長期的には大きなメリットがあります。子育てが終わった後も長く住み続ける場合、住宅ローンを完済した後も余裕をもって生活できる資金計画を立てることが可能です。

さらに、こうした住宅の価値は時間が経つにつれ、「快適さ」や「経済性」として実感されることが多いです。たとえば、一般住宅ではリフォームを繰り返して性能を保たなければならないこともありますが、高性能住宅であれば高い断熱性能と気密性が維持されやすく、少ないメンテナンスで快適さを保つことが可能です。

最後に

名古屋市のような四季がはっきりした地域では、住宅の性能は快適さと経済面で大きな違いを生み出します。高性能住宅の導入は初期投資が必要ですが、長い目で見れば家計への貢献度は計り知れません。光熱費の削減、健康的な室内環境、電気代の変動に強い生活スタイルなど、多くの利点が期待できます。

家づくりの選択肢において「高性能住宅」を検討することは、ご家族の将来のためにとても賢明な判断です。これからの生活の質を高めるために、ぜひ性能に注目した住宅づくりを考えてみてください。