コラム
名作椅子たちに会いに行きました💺
椅子とめぐる20世紀のデザイン展 | ジェイアール名古屋タカシマヤ
ゴールデンウィークで混む前にどうしても行きたくて開催直後にさっそくお邪魔しました。
椅子研究家の織田 憲嗣氏が協力してくださっているイベントです。
↓織田コレクションとは・・・プロフィールなどはこちらをご覧ください↓
織田さんは名作椅子を収集し眺めるだけの存在ではなく
【日常生活の中で愛用品として使う】
そんな風に家具を愛し、大切に使い、そして後世に本物を伝えるためにこの様な展示会で家具に触れる・知ることができる機会を作るプロジェクトをされています。
写真撮影もOKだったので撮影されている方もたくさん。
どの部分撮影してるんだろう?
この椅子のこの辺がお好きなのかな?
人間観察好きで人が見ているものや部分が気になるタチ。
自分では見つけられない部分を知られるのが楽しくてツイツイ。
建築家と一緒にお客様の建築予定地を見に行くときは建築家がみてるものがいつも気になって
「今なにを見て何を想像されたんですか?」って聞いてしまう。
なにが展示されているだろう!?
入る前のワクワクが好きなのでこういった特別展示などにはなにが展示されているかの大項目だけ確認して詳細情報なしでお邪魔することにしています。
ファーストミートはガウディ♡がデザインされた椅子。
生きている間にガウディ建築に会いたくて新婚旅行をスペイン決めたくらい憧れの人。
当時は建築とは無関係な仕事だったので全く違う視点でみていたけれど
今また行く機会があったらきっと違うガウディに会えるだろうな。
水平垂直を基調とした
チャールズ・レニー・マッキントッシュのヒルハウス.1 ラダーバックチェア
-座ることはもちろん、この縦横抽象的な形を鑑賞するためにつくられた-
そんな風に授業で習ったな・・・
シンプルなのに複雑な曲面。
戦後日本のデザインと技術力を世界に伝えた
柳宗理のバタフライスツール
ガウディの他にも名だたる建築家がデザインした椅子もたくさんあります。
実は建築家って建物だけじゃなくて椅子などの家具をデザインされてる方多いんですよ。
椅子って小さな構造デザインなんです。
木製だと小さな木造建築なんです。
家具の勉強をしている時に教えていただいたことのひとつで椅子の見方が変わったきっかけの言葉があります。
「椅子は最小の建築物」
椅子をデザインすることは、屈強な建物の構造計算と同じ。
普段何気なく座っている椅子ですが、改めて考えてみると椅子って過酷な毎日を送っているのです。
ダイニングチェアであれば、最低でも食事で朝と夜、1日2回は椅子に座りますよね。
その都度50キロほどの体重が乗り、押したり、引いたり、揺らされたり。
座り心地はもちろんのこと、身体を支える背中に具合が良い背もたれ、さらに長時間もしくは毎日座り続けても壊れない強さが求められる。
そんな風に長く使えるようにするには緻密な構造の計算も必要。
建築物というのも納得。
そんなことを思いながら曲線や細い脚を眺めていました。
織田さんはインタビューで
「デザインは人を幸せにするために存在する」
とおっしゃっていました。
それぞれの椅子は形、素材、座り心地、時代の背景、用途に合わせたデザインの意図、ストーリーがあり、ひとつとして同じものはありません。
並んでいるたくさんの椅子たちには、幸せな時間をつくりだそう。新しい歴史を作ろう。そんなデザイナーたちの想いが伝わってきます。 そして名作と云われる家具には職人たちの手仕事が詰まっています。
河合工務店のお家と同じ。
住む人のためだけのデザインや設え、暮らしを考えた間取り。
そしてたくさんの携わる人たちの想いや誇り、技術が凝縮しています。
今回展示されている名作椅子は家具屋さんだけでなく実は様々な場所で出会えます。
新宿伊勢丹の靴売場の試着スペースには
cesca chairやCH88P他多数のデザイナーズチェア
美しい椅子に腰かけて美しい靴を履く
そんな体験ができるよう。
滋賀県の佐川美術館には
PP266(Chinese chairの三人掛け)
作品をゆったり鑑賞できる空間作り。
※館内の写真撮影は禁止だったのでお借りしています。
河合工務店には家具を家族の一員として迎えるために
座り心地を体感していただければ良いなという想いから
ウェグナーのCH24(Yチェア)を一宮の新しいモデルハウスに。
イームズのロッキングチェアRARはKOMAKIショールームに。
椅子は座ってみるのが1番です。
素材や形が違うと全く別物です。
実際に見て感じて体感することで[自分が好きなもの][自分に合ったもの]がみつかり
[自分らしい暮らし]という新たな幸せに出会うことができますよ。