家づくりの記録コラム

2024.02.05

【一宮の家】高気密高断熱住宅の落とし穴

【一宮の家】高気密高断熱住宅の落とし穴

みなさんこんにちは🐈村田です

 

今回は村田の雑談です。

モデルハウスの話じゃないんですけど、最近気付いた怖いなって思ったお話です。

タイトルの通り私もハッとさせられたので、ここに書いていきたいと思います。

 

高気密高断熱住宅、知れば知るほど

住宅性能は良いに越したことが無いなと私は感じています。

気密性C値は0に近ければ近い方が良いと思うし、

断熱性UA値も0に近ければ近い方が良いんです。

大前提、私は性能が大事だと思っています。

 

高気密高断熱住宅は、魔法瓶みたいな、めっちゃいいクーラーボックスみたいな

中の温度を外に逃がさないし、外の温度にも影響されません。

だからエアコンの熱も外に逃がさず、風量をゆるーくかけてても効くので経済的です。

 

 

でもこの「中の温度を外に逃がさない」が落とし穴なんです。

めっちゃいい面もあるけど、場合によっては危ないんです。

 

 

太陽のぽかぽかした日差し、リビングに入ると気持ちいいですよね。

冬はやっぱり太陽を沢山取り込みたいです。

太陽をしっかり取り込んであげると、日中はエアコンなんていらないくらいぽかぽかなんです。

先日の完成見学会は、日が当たっていない所に置いてあった温度計でも

無暖房で20℃を計測していました。

そんで太陽の光が当たっているところは暑いくらいで・・・!

 

太陽の光が家に入って、ぽかぽかで暖かい、気持ちいいなぁ🌞

なんて言えるのは冬の話ね、夏に置き換えてみてください。

太陽の光取り込むだけ取り込んで、熱が外に逃げない性能の良い家、

中は温室、まさにサウナ状態になってしまうと思いませんか?

夏の日差しと、西日なんてまさに。

取り込みすぎると熱い熱い。

 

一度室内に取り込んでしまったら、高気密高断熱住宅だとやっぱり外に逃げてくれないんです。

そうなるとエアコン点けてもなかなか効かず・・・

めちゃくちゃエアコンに頑張ってもらわないといけなくなります。

太陽の光って物を燃やしちゃうくらい、電気エネルギーに出来るくらい強いんですよね。

 

高気密高断熱住宅って良いって聞いてたのに、

性能の数値がいいと良いって快適だって聞いていたのに、

光熱費って安いんじゃなかったの?なんて・・・

 

 

ただ数値だけを求めて建てちゃダメなんです。

高気密住宅を活かすもころすも設計次第!!!

 

 

直近で担当しているお客様のプランニングがありました。

二組とも角地には変わりはないんですが

一組は東、南、西にめっちゃ開けてて冬でも朝から夕方までずっと日が入る、

めちゃくちゃ日当たりの良い土地です。

場所的にも今後も遮るものは建たないだろうと思います。

私もめっちゃいい土地やなって思いました。

 

もう一組は北、東が開けている土地。西、南は住宅。

これは日当たり厳しんじゃないかな・・・って誰もが思うと思います。

初見で私も、日はどうやって入ってくるんやろう・・・って。

 

でも今までに何度も、日が入りにくそうな土地を見てきました。

今回のモデルハウスもそうです。

あぁ・・・これは日が入らんな、無理や、どうしよって何回も思いました。

でも、建築家と呼ばれる人たちって本当に凄くて、

そんな土地にちゃんと光が入る家を設計するんです。

いままで担当させていただいた方はもちろん、

今回私が施主役をやったモデルハウスなんて、まさにめっちゃ日が入ってるんです。

あんなに日が入らなさそうに思えた土地に。

 

なのでさっきの話でいくと後者の土地、日ははいらなさそう・・・と言えど

きっと建築家が何とかしてくれるんだって自信がありました。

自分が設計するわけじゃないのに、自信って変だけど(笑)

やっぱり出てきたプランニングを見ると、さすがだなぁって思うお家になってました。

 

問題は前者の土地、日が入りすぎる方の土地です。

一見めっちゃいいですよ、どんな設計にしたって日が入るんですよ。

こんな素人でも日が当たるリビングのイメージできるんです。

はじめは良かったんです、めっちゃいい土地だな!って

でも土地に足を運ぶたびに、

「ん・・・?」

「・・・ん?・・・暑ない?」

「いやちょっと、外におるのに暑すぎん?冬やで?」って思えました。

 

ここで初めて、日が当たりすぎることを不安に思いました。

だって住宅街でこんなに日が当たる土地もなかなか出会わないから。

 

 

建築家は設計の前に必ず現地を確認に行きます。

Googleマップでみりゃなんとなく分かることもあるけど、現地を見ないと分からない事も沢山あるので必ず見に行かれます。

 

建築家の方と一緒にこの土地に訪れた時に、私の不安を打ち明けました。

「先生、これ、日が入り過ぎてしまうのが不安なんです・・・」

日が入りすぎちゃって、暑すぎて夏は家族が茹っちゃうんじゃないかって・・・。

建築家も高気密高断熱のお家を設計しているプロです。

私の不安もちゃんと分かってくれてて

「そうだよね。夏の日をカットしつつ、冬は日を入れつつ。設計しなきゃね」

ってお話してくれました。

そんな美味しいとこ取り、なかなか難しくない?

 

土地の読み解きもそうですが、先生にはこの土地条件からさらに追加で

「お客様の要望」と「資金」は守ってもらわないといけません。

全てが叶う設計を!と建築家にはお願いをしています。

いつも期待の眼差しを向け、プレッシャーをかけてすみません。

 

 

今回のお話の土地は、両者ともプランはもう出ております。

私も確認もさせていただきました。

どちらのプランも「サイコーです!素晴らしい!!」の一言に尽きます。

 

 

何が大事なんだって話ですが、

性能の数値だけじゃだめだよってことです。

土地の読み解き方、窓のとりかた、部屋の配置。

しっかり考えて設計をしてもらわないと、

高気密高断熱住宅なんて高いお家を買ったのに、

一歩間違えると夏は暑い家になってしまうんです。

夏の太陽の高さと、冬の太陽の高さは違うからそこももちろん抑えてもらって。

 

 

あの日当たりのいい土地で、素人の営業村田が設計してみて?

絶対、夏暑すぎて溶けてる。

 

夏はタープ付ければいいじゃんって?

条件によってはタープで対応するしかないものあるかもしれません。

でもタープって・・・

マメな人は良いと思います。付けたり外したり・・・

私、極度のめんどくさがり、超インドア、お庭なくてもいいよなんて人には

タープという考えが私にはちょっとめんどくさいのです。

 

餅は餅屋といいますが、設計は設計のプロである建築家にお願いをするのが一番だな。と

このお仕事をしていてつくづく思います。

まぁそうだよね、だから「建築家」という人がいるんだもの。

 

 

日が入るの暑すぎるって話ばっかしてますけど、日が入らないのも問題ですよ!

日中電気を点けなきゃ暗いなんて、私は嫌だもん!

 

 

余談ですが、

私の師匠(勝手に)YouTubeしてるんですけど、

松尾設計室の松尾さんと、構造塾の佐藤さんなんですが、

(あ、このお二方めちゃくちゃ分かりやすいので是非見てみてください!!)

松尾さんが言ってました。

数値をあげてあげていわゆるHEAT20のG3だったとしても、温熱環境的には太陽の光が無いとあまり意味がない。

性能の良い家でも、太陽の日が全く入らなければ、家の中は寒いってことです。

それはそれでエアコンをガンガンまわさないと暖かくならないんです。

熱源を自然にもらうか、お金と機械に頼るか。

 

 

長くなりましたが、高気密高断熱住宅の数値ばかりに囚われないで欲しいです。

(自分に言いたい)

そればかり追って設計を考えないと、かえって高気密高断熱が悪い影響を与えます。

それを沢山の人に知ってもらいたくて、今回は書きました。

 

 

 

・・・と言うけどやっぱり私が一番大事な事は「性能」

高気密高断熱バンザイ

C値もUA値も0に近い方が良いゼ

という根本は変わらないんですけどね・・・うん

でも性能だけじゃないよなって、改めて思えた今回の土地とプランでした。

 

では今日はこの辺で。

 

モデルハウスも着々と進んでます!

これだけ見たらどこの部分?ってなるやつ・・・

ちゃんとお日様当たってる🌞